493 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:11:40.53 ID:cHC9ok2o
/ / / / / .∧、v´'ハ | ハ | | プロイセン参謀本部ってヤツは、 |/l | _|_ .| | | | | .| .| .L | | 「`≧ト、 /,/,斗≧、_ | | .| いくつかの時代区間に分かれていると思うんですよ。 ヘ=-r'ーr 〉'⌒ヽ ´' 、ィ=ミ、,_ ,イ / |_ . | |〃 l:| 〃 ハ 「'‐-、._/ | ` ①シャルンホルストの最初期 . | l l:l ,リ. |:| ,リ.| / | l ゙'‐‐'" ゞ、__彡' | ハ¬ ②クラウゼヴィッツの哲学期 | .l XXX XXX/ / ノ | ヽ、 ゚ / /イ ③大モルトケの変質期 | `l‐-=、,____________,../ / | | | | | / | `'ー‐'" ./ / | そして、ここからドイツ参謀本部にバトンタッチというわけです。 | | | ゙|ヘ \ ,./ ハ |
,.-‐' ´フ^ヽ,`イ´ヽ,.-ヘ、 / / , , ` ヾヽ / / / / ,' ', ∧l ` ヘ / / ,' l l l゙‐-‐'| l ', ,' ,' , l ,斗ト,| ト-、l , ハ {`ーー '| l | ハ ハ| リ |. l | l| ト- 、_ |l l | | '-' ' '└r',' ハ ,l、ヽ `ハ ___,|r´ ┃ ┃r‐l‐'''´ 本編でやるので、ここでは詳しく言えないのですが…… ,' `ヽ、γ| ̄ | | ┃ ┃l | ,' ,' /ヽ.| ', .| ', | プロイセンとドイツは別物だと考えてください。 ,' ,' / ハ. ', | _ _,ノ | . ,' ,' / ,' ', |`ニ、r‐、‐ T´ | 詳細は本編でお願いします。 .,' ,' / レヾ, |',=ニ| /ス| | ,' ,' / / ` '、 ',.', | // ハ | l / ,' ',`ヽ、ト', レ'/. | |
494 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:12:35.95 ID:Op8I9Eko
ほうほう、続けて続けて
495 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:13:06.25 ID:cHC9ok2o
r'ニイ : r=〈、: : ,、: :く^; : : :ヘ : :ヘ l |: :ヽ} : :ヽ: :>ヽ`: : .:J、: : ⌒ヽ. ヘ l l:.:.:*ゞx : : (: : `ヽ、: : :.ヽ_: : ヽ、} l ト- ': : :._ > ― f' ¨下. ̄.ト、 ̄` ヽ、 } ノー'´ ̄ / l. ,ィ ! } ヽ._レ}-ir' i ,> シャルンホルスト、クラウゼヴィッツ、大モルトケ。 ∠ィ 「` 7 十ァ-j、/l イ! ヘlニj_ハ. ハ | ! / i .i ,' ,ィt7示x jノ j' '行h;} jノ!| ソ .l 参謀本部の御三家だね。 { ハノV / ト'じ_;:} 弋tタ ! !i i | ゝ} | 乂クソ 、 、、 ! i.| ', ! グナイゼナウはシャルンホルストの後継者であると同時に、 ,'-| ト, 、、 ! ! l ', ! . 人ニ! | - 、 / |l ',. i 忠実な実践者だったから、本当のところは , ``| |ヽ、 '´ イ.| !| ヘ V ,' i ! |. ` 、 r' ! | | .| 、. ヽ\ シャルンホルスト・グナイゼナウで一つなんだよ。 ,' | i| |`丶 __ _フ ´) V || ! .| i ヽ ,' レ'T. | / \_l| |__| ', / ,'ー-イ i |、 / / `| |/`ヽ /
,..-、_‐',..-、 ̄_.._゙'¬-.、 / , ´ `´ ヽ-‐-.、`ヽ、 / / / / ∧ ,ィヘ \ ヽ / / / /l /‐ヾ--| l l ヘ . | l | ハ | | | | | ', 最初期の参謀本部がどんな事をしたかは | l | | ,.斗ヒ'| ヽL_l. | l | | ハ | | ,ィくヾ, ''_,.≧‐.| イリ`ヽ 幕間で書かれましたが、 `' ゙-,ヽ_|〈イ::l ゙ '_ノハヽl'‐-、/レ'ミ |. l マリ l::{゚ハ::l ,〉 |_, .あれは純軍事的なモノなんです。 l l `´ 、 .込イソ | | | | .ヽ、 __ `´ | | .| シャルンホルストやグナイゼナウは 〉 レ゙、-.、.'、_,)___,..、イ | .| / | | ヽ、 `´ ノ ハ| l || l 実に政治的な分野にも手を出しました。 / | | ヘ`゙'ー'" , |l| | | | . / //〉、.| ヽ / ハ _lノ | |
496 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:14:37.10 ID:cHC9ok2o
シャルンホルストはナポレオンの国民軍に対抗するために、 プロイセンも徴兵制を敷いて国民軍を創る事にしましたが、 これには農奴の解放以外にも、プロイセン国民の政治に参加する権利 ――すなわち参政権を認める事も必要でした。
,,.-‐─-:..、 / ;;;;;;;;;;ヽ / ;;;;;;;;;;;;;、 l .;;;;;;;;;;;;ヽ {0}/¨`ヽ{0} ;;;.;;;;;ヽ ヽ._.ノ i;;;;;;;;ヽ、 チョリッス ! `ー'′ ;;;;;;;//;;;;;;;;;i;;;;;;ヽ、_ オレたちの国は、オレたちが守るんだぜ! /) ヽ、;;;/;;l;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`‐-、 _ / :/ |;;;; /;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ、 ノヾ `‐-" l , -‐"i /;;;ノ;;;;;;;/;;;;;;,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙ヽ, ノヽ | / .ヽ!;;:/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;li l , :l / , ;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ( ヽノ .i i; ;l ,, ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ヽ、 \l/_,-‐ 、:;| :;\,,-‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ヽ、i \i;;;;;:));| ;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;‐、;;;;;;;;;;/ \ \´);;| ;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;;i
プロイセン郷土軍
,.. 、 ,. 、 ,γ⌒ーイ ヾ _ ゙ヾヽ、 , './ / //`ヽ.' ヘ ハ ヽヽ ./ / / ,' l |` `゙´´ l | ', ', ', / ,',' ,斗キト ,ニ|、', ',. ', /| l l | _| リ ノL_l l l', こういう想いがあるからこそ、 ´ ,リ. ',',_,..- ' ´ T‐┘リ 彡|,.ヘ〉.| ===≡ ≡== | |` 国民軍は今までの常備軍+傭兵よりも強かったんです。 _| | ', | ‐'´' |. | XXX XX, | 常備軍と国民軍の違いは、 ヘ| | `(_`チ ノ. | | | , ィ' | 極論すると参政権を持っているか、いないのかの違いでした。 | |` ´ | |
500 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:16:18.77 ID:Op8I9Eko
ナポレオンが出てくる前のフランス国民軍もなにげに強いな
499 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:16:09.37 ID:cHC9ok2o
そんな中でシャルンホルストが理想とした参謀とは、 軍事技術や戦史に精通している事は元より、お互いがお互いを理解しあっている、 共同体としての理念を共有している事でした。
ある程度、現場にいる指揮官に自由な行動をさせるために、 随伴する参謀は指揮官と共同責任を負いながら、 他の部隊にいる参謀と連携できるようになっていました。
――訓令戦法ですね。
__ __ / ../) .__ / ../) 三三)/) / ../) 三三)/) ∧,,∧ ∧,,∧ 三三)/) 三三)/ (´;ω;) (;ω;`) 三三)/ ∧∧ と φ) .( つφノ ∧,,∧ __ ( ´;ω)/⌒/⌒/ ̄/⌒/⌒/ ̄(ω;` ) / ../) / _∧,,∧口 ∧,,∧ ⌒ □と_ ヽ 三三)/) (/( ´;)η口(;` )/⌒/ /_ノ 三三)/) ∥ ̄(l ノ  ̄( ノ ̄ ̄ ̄|| 三三)/ __`ー‐' `ー‐' / ../) __ 三三)/) / ../) 三三)/) 三三)/) 三三)/ 三三)/
プロイセン参謀本部
_,. _-_‐_‐-、 ,.-<' ` 、 \ ヽ r'l ' r、、 ヽ ヽ ヽ'_´ヘ / l |`‐ヘ', ハ__ヽ ヘ ∧ 理想の参謀の条件には、実はもう一つありまして。 . / l l ヘ サ´‐'´',´`<、、 \ /l ', ',,ィヘ ィ彡 ∨'ヽ' `ヽ ヽ、 _,、 それは政治にも精通しているというモノでした。 | l ヽヽ∧ z彡 ∨ `ヽ、 `ニ`ニ´∠ ` `゙`T ハ _ ,.ィ','ヽ Y´`' ‐-、 / これは作戦立案の仕事を受け持っている参謀本部が } , ト‐‐ッ'´`ノl ヽ' `ヾ、ヽ,/ /, ',l, / l | / ヽ > 現実の国際情勢を無視した作戦を立てて、 l、l、_/トv'´ハ `'´ ,.>、 / l / ´ ヘ / ∨ 政治的に本国を危険にさらさないための工夫でした。 レ l {,.,.-r‐'〈_X | |,.--、ハヽ‐'゙'''l-7'´ `' ∨
501 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:17:37.13 ID:cHC9ok2o
,. ' ´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ、 / / \ / / \ / /―――――――――イノ / /: : : : : : : : : : : :| | ,' ,∠ __________/ | | <__:.:.イ:.`メ、/|:/ |:./\レ:.:.〈 | ノ! |/リレ',ィrそド"´ レ ィチxV:.!:.V} つまり、シャルンホルストは参謀本部が将来的に /| /!:.:.! 〈. トzリ トzリ }:!::Nリ / /ソ:.:.i xx`¨´ , `¨x{:从 } 作戦を優先させて、政治的・外交的な危機を招く / //|:.:.込、 /:.|.ハ∧ / /厶|:.:.|\ ヽ、 r つ ,. く:.:.:! ∧ ヽ 恐れがあると理解していたんだね。 / / |:.:.|::::::> ミ 、 <} |::.:| ヽ. } /i 〃 レ‐‐く\  ̄´ /::! !:.:<フ二ヽリ ./ // / /⌒く:\ イ:::::| |:. 厶--、 } / / ( /,. ┤:::::ヽ /::::::| |:.厶--、 /
_,.-‐' ´___ ̄ ̄ `゙ ''‐-、 ,.‐-, '´ `ヽ/ `ヽ'`'ヽ、__ \ / ,、 ` ´ ヘ ヽ / / / /` '-| l l ', .ハ / l l l |l | | l l l | | | | |l | __ l l |_, -彡 | l `l'‐ト、 ,リィヒT´_| l |_,/ } 参謀本部の始祖は本当に偉大な人物だったんです。 `‐r-゙-r-ィヾ、 ィヽハヽL_l__| | ,.<| | | '{うハl ら'::ハ' | 'Tヽ´/ .l| そして、その危険を避ける唯一の方法が、 | ,| | マ:リ 辷'ソ | | l l l| | |. l ' u| l イ l l| 教養ある政治将校を育てる教育だったんです。 | | ヽ、 - __,l | .| l | | | | `゙フ、'''"´ ,' l、| l | | | l / , リ __,. -イ ,' ヘ l |
503 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:19:55.98 ID:rclXtAco
政治将校と聞くと悪いイメージしかないな アカ的にだけど…
502 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:19:09.25 ID:cHC9ok2o
だからこそ、途中で彼が亡くなったのはプロイセンにとっては痛恨の出来事でした。
, --.. 、 ___ ,. .:´.:.:.:ニニヽ\´.:‐‐:.`ヽ ,. '´. : : :彡´: : : :`:.:.:.:´¨¨ ヽ、ヽ /. : : ::/: : : : : :.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.\: `ヽ、 / . : : :〃. /.:.:.:.,.:.:.::/: : }:.: : l: : ',: :.\: : :\ ,' . : : //: :/: :.::/:.:.:/: : :.ハ:.:.. |: : :ト、: : :ヽヽヽ\ ,′. : :l/: /: : ::/::.:./l: : :/ 1.:.: |_: :ハ.:}: : : :', i: :', i:.l:.: : : :.:.:|: : :.:|.:七 T´/ /'|:.:/l.`メ、l.:}.:.: : :i l: :.:', |.:l:.: : :l:.{.:|: : :.:|/ __|/ ′|/ l/,,_ lハ: : :.l:.l:.:.:.:l |:.l:.: : :l∧|:.:|:.:.|>七ミヽ ′ 仁ヽ、1.:.:〃.:/lハ! l. l:.l: : :/`ヽ|:.:.|ト1rイ! トrイ1ミ} 〃.:/.:! ′ ',l.:l: :〈 ハヽ|V沙ソ 似ツノ〃 .:/.l/ ヽ: : :Y´{ V1 ''''''' ′ '''' j.:.レ'.:.:.| ←何気に偉大だった教育者 ヽ从 } {:i _ _ ノ.:.:.:.:.:.:j `{ L_ノ:L ´ /.l.:.:.:,.:.:.;′ { |\.:.:.:| > _, . イ´`ヽj.::/.:/,′ ,. イL」 \:| / \ l/:.// ,. イ、\ ヽ | `77.:/、 /´.:::`ヽ\\ \ | .///.:.:.:.:\ ./.:::::::::::::::.\\\ \ ノ| ///.:::::::::,. イ \「  ̄ ̄ ``ヽ ヽ\ V⌒) ///.:::::::/ i l \\\ / /⌒V.:::::/ |
ゲルハルト・フォン・シャルンホルスト
, - '´`ヾ ''ヽー-ッ、 / , / ,、ヽ' ヾ-.、、 / / / /_ ヽ^l ',ヽ / / / / // `´7 ,' ',.ハ Ll__/ 斗=ト、,' ,' / | l l / l ハ ,'.l ,' /ォミ、 / l | しかし幸いな事に、シャルンホルストは ,'`ー'r┘-' ヽ /,// メ、 ,' | ,' ,' 三ミミ `_<__// //ヽ{ 忠実な後継者を得ていました。 l ノ xxx =ミx、 >、/l/ l´ . l .〈 xxx`ヾ /ニ〈 グナイゼナウです。 l ヽ、 、__ / /´ ヘ l / l`r-、、_ / / ', リ l' l lヽ ` ''`フ"7 / l ', | / ヽ'ー`ニ7./ / / ヘ ',
504 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:20:38.20 ID:cHC9ok2o
グナイゼナウは戦勝の暁には、ナポレオンを戦争犯罪人として銃殺刑にするべきだと考えていました。 さらに帝政フランスを完膚なきまでに無力化するべきだとも。
まぁ、流石にメッテルニヒに止められましたが。
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | も う .| | .| | だめぽ!! | ,. . _ |_______| --' 、  ̄ ̄ヽー- 、 | | ヽ ̄7 , , \ 、 「 ̄ 7 | | ヽ / /_ /ハ |ヽ、\ V ./ | | i il/> ヽl <\ヽ. V ,. -{-、 __ .| ii i! ,. ─‐ 、 | il | { Y/ l il |、 { } | li | `t-く ヽN ` `--- ' <リiレ' | | `ー-- 、 / ヽ `丶、 | |  ̄ヽ ノ >-' ! | | ,.ィ`=== r'^ヽ、_,/- 、 | | , '" // !'~`V-─ 、 ) | | < _,/ / / /i \ (_ノ i_j /ヽ ' / / ! ,> /_ > 、 」__/ _」, ィ'´ 「 :::`ー':::::::::::::::::::::::::::::ヽこノ:::
ナポレオン・ボナパルト
,..-、_‐',..-、 ̄_.._゙'¬-.、 / , ´ `´ ヽ-‐-.、`ヽ、 / / / / ∧ ,ィヘ \ ヽ / / / /l /‐ヾ--| l l ヘ . | l | ハ | | | | | ', グナイゼナウはシャルンホルストと違って | l | | ,.斗ヒ'| ヽL_l. | l | | ハ | | ,ィくヾ, ''_,.≧‐.| イリ`ヽ かなり目立つ人物で、参謀らしくなかったんですよ。 `' ゙-,ヽ_|〈イ::l ゙ '_ノハヽl'‐-、/レ'ミ |. l マリ l::{゚ハ::l ,〉 |_, それでも私情を殺して l l `´ 、 .込イソ | | | | .ヽ、 __ `´ | | .| シャルンホルストの理想を守り通しました。 〉 レ゙、-.、.'、_,)___,..、イ | .| / | | ヽ、 `´ ノ ハ| l || l / | | ヘ`゙'ー'" , |l| | | | . / //〉、.| ヽ / ハ _lノ | |
505 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:22:12.60 ID:cHC9ok2o
/ ,.‐-y'´'ヽ/ ヽ-゙-ヘ / / , / ∧∧ ', ',ヽ ,' / l l l ,'‐-' | | | l 'ハ ∧' ,' l | ,リ _リ l l l l l ト、 'l l`ニ´ ` ̄-r'___「 他にもドイツ統一問題や / ヽl ̄'l ==== === ,'´ | / ,∧l | { l| プロイセンの半絶対主義的な国家体制…… ,' / ', lu_ ,、 _,.ノ ,'| ,' / ', .lヘ ',三|{=', | 'l | これらの改善に積極的に関わろうとしましたし、 ,' ,' ', ', ヘ ', |,l ,}| ,'.l | | l l /ヽ | ヘlレ'',´ l-‐' l | 実際に関わりました。 |l L._ハ_ }-‐',=l<,ヘ.ヽ{ l l l `ヽ.| `'、_ ` ´ ',´ ̄ `レ' だから戦後の反動体制から追放されたんですね。 ',゙T'''''''T'7´ ',ノ. レ
/⌒ヽ /:´`ヽヽ,. -- 、 ,.イ , : `ー 、 フ三ミミヽV/ ミミヽ: :\ / ノ ,: L/: : : : : : : : : : : :``ヽ: : `ヽ ,′ '´ }: : : : / /:/ノ: :l :l:.l: : : ヽ: : : ', 〈 , イソ: : : :/ :/://: /.l: l.:l.:l.: l : ',: : : ', ハ ノ:!.:!.:.:./.::///.:./:/l.:.l:.l.:l:. l : :l l: :l l _ノノ ,.ィ´l.:.:l.:l.:.:メ、///.:./://l__Ll:.L:l : :l:.l: :l l 「く: / ∠エⅥⅥ:lV行メ、l/l/<仁/リ: :l. ://: /,′ ! `ー─一 '´ /:/ト、ト{.りソ 弋辷ソチl: /://: // !`ー====== ¨´/ ̄``ヽ小' ' ` ゝ‐く,.ィ介V: :/:/ / `ー--------‐'7 い`ヽ 「 _) ' '/>介く: /:/ 人 / い ,ゝ-- < ,fソ:::{ }.:イイ //;′`ー─---イ `ヽヽ ハ!/'´: : : : ,.イfソ:::::{ }.:!! ←何気に過激な参謀だった人 /: /:;′ ! .: : //: : :: : :; ィ´ / / l:.!! /: : /.::; ハ ! j/: /:: : :; ィ´ 〈 / / /.::!! /::〃: : { l! ,.イ: / : :::/ \_ \/ /./. .: !! /./ l: : : :ハ ノノ/ l/: : ::::( ``Y´ /`ヽ: :ヽ\ /:/ ∧: :./.:ハ //! l:ト、: : : : : : : : :フ ノ 「|: : : \: \\ 〃 // V:/: : ヽ ,. ィ´: : _」 l:! ヽ: : : : : : : : : 二フト、: : : :\: \\ 〃.// l:ト、ト、,r‐`ー'´ー =ニニニニ リ \: : : <ノ ノ1 /ユ、: : : \: \ l//∧ l:!__ゝ .., _ __ _ Q/: : /1 /ハヘヘ: : :ト、.\ l/ ヽ、 .リ: : :, ゝ-ー ノ : ィ´、 | |い ヽ l: :.l \ | 「 : : : : | ノ: :,イ \」」> ‐イ: :.l | l二ニ : :| . : : : : : :/: : :/ ハ /: :/ !_ノ: : : : : :| . : : : : : : : :/: : :/: ノ: :.`ヽ /: :/
アウグスト・フォン・グナイゼナウ
506 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:23:39.45 ID:cHC9ok2o
,.-,=ニ_´,.-'´`ヽ,-'ヽ、_,..、 ,-´/ ` ヽ / / / ,、 ,、 l ヽ / / / / / `´ l l ハ l / | | |_, リ | | |__/ | | '''''''T´ `メ、_ | | 〈、、 リ └r‐'──' '└-ハ__ _| さて、上記の二人が活躍した参謀本部を最初期とします。 〈 `ヾT¬' | ====== ==== | _ニ,」 |`ヽ l´| | |´l | 残された参謀たちはせっせと、 . | ∧.| | γ'''¬‐-、 ', l| | / l | ', ノ ノ .l| .二人が残した遺産ともいうべき教育を引き継ぎましたが | / | |'、‐-゙、.__, ィ、. -‐イ l| . | / l | `ヽ ノ ハ | リ| ここで問題が起こってしまいました。 .|/ | ヘ l ` , ', | リ | l' | |/ \ l l ',l ノ l| ' | / /` l l'´ l|
,、 ,.‐、 _,.-‐ 、_ : r‐-' `' ` ヽ`ヽ : : / , l l ハ ヽ : . : / l lヽ-' | l ', ハ : : / | l | | | _,| l ト- 、 l なるほど、確かにシャルンホルストが示した :,' l、 リ 斗ヒ´__|___l |、 `'} : └┐__ r' _`二 =r==r'| └r' ` ミヽ| : . 軍事のエキスパートとしての参謀と、 . : |`', " ̄ l | | |`l l : | l |ll r‐¬ ゝ‐' | レヘ l、 政治を知る政治将校としての参謀。 |. l u | | | | | ', |l : | `ヽ,、,_-‐_ニ_,. -オ. | | ', |.l : ――これを両方とも学ぶ事ができればいいのですが、 | | | | /〈 ´ ノ ,| ,|. | ', l ヘ : | r'' |/ l ` ´ /└'´ l | ', l ヘ : それを学ぶ教材がなかったんです。 └' ´ | l | / l | ', ヘ
508 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:25:59.02 ID:glUsu.wo
軍事のエキスパート、かつ政治も熟知している参謀… なんとチートな参謀を望んでいるんだ
507 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:25:07.43 ID:cHC9ok2o
/ `ヽ、 / 丶 `ヽ、 / `丶_|ヽ、 > ,..⊥r─‐r‐‐r─--、、 \_ k'-、 ナポレオン戦争後のヨーロッパでは、 / / '≧| | ,≦ヽl `丶、,_ `フ `ヽ ヽ_,、L,..-ヘリ ヽヘ--、゙ ___ YLニ=' {゙ー'" ´ . 何人もの軍事評論家がナポレオン研究をしていました。 ゝ, '| ┃ ┃ ´ | `├.、'" `゙¬ー--、、 / l ┃ ┃ l | .ノ、 `ヽ、 . 彼みたいな軍事の天才を生み出すには ,' .リ xx xxx / 「´ `ー------ 、._ 、ヽ ,' ゝ、 _ _ / ハ 、 `ヽrミ どうやったらいいかという命題の研究ですね。 リ、 | ヽ`7l^′´/〃 /,.-、 \ `ヽ、 / ´ ヽ_| `|ヘ lニ'/└-r、イノ____〉_ 、ヾ、ヽヽ/ そんな中、スイス人のジョミニが面白い学説を発表しました。 | lγ /, ノ| 丶. | __,.-' `' ` '゙ _z== (7_'、ィ'" ´イ' ヾ、 /"´ 曰く、ナポレオンは天才ではない――というモノです。 l( ̄、`ヽ、ヘ’ __ ヘl'-┐ . lヽ、ヽ 、._ヽ }} ノニ´-‐-' | `゙'¬-,/T冖7'''"´ ヽ、 / ,l / `゙ ー '′ `'′
,r'Zヽ _,,,;:-、s-──--ミ,,_ \l/ _,:r'''"n ,, 'l; ゙l! ゙l!, ゙ヽ、 ,;rii" , ,リ,ハヘヾi, l, ゙li. ゙lli, ゙lli,゙'i; _,;r'" ,il' ;il' ,i'クノ リ ゙いミ゙ゝ,、゙ゝ ゙li;lli, 'li;,゙i, _,;r''" ,;il'"ノノノ シ'__ `''弋ミヾミヾ;llllli;, l'} _,,:-''" ,,;ill;'",;i'-''""二二 ̄` ,,:''''''ー-゙lll;iii,'lllli,'} ナポレオンの戦術や戦略を見るに彼は ,>iii''" ,,;ィ彡''"/f" r'''("llli)` ,/"'flliiミヽ.|!li,'llllliリ ll'" ,:i'' }i l゙ {! ` ̄ '" i 、 `'''" ,;llll,lllll;ツ 『機動』で敵の態勢を崩し、 .いi' .;i' r' ;il i'{ `゙ ゙i、 クシ''" `i, :lli, ゙li :l: ゙'':、 .. i; .| 『火力』の集中で突破口を開き、 ゙i, ゙llii;, ー゙''li、 ' -'''; r'" | ゙i, ,l''llli;, ,,ミ _- / 『打撃』でもって決定的勝利を得る。 . ;レ 'llllli; ゙:、 '" ̄  ̄`''ヽ / "| ,ill'l!. ゙i、 -== ./ その後、勝利をより確実なものとするために _| ,il' '゙ ゙'ゝ、 / /" ヽ、 {,,_ `゙'''ー::,,,_ / 『追撃』を行なった。 ,/ `''''ーミ=-:;,,_ `' ̄`''''ー---r'' \,-、_,:-ー、`ー-'''7ー:、__ \ `ヽ `ー''''"'<,,_ `ヽ、
アンリ・ジョミニ
509 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:26:36.85 ID:cHC9ok2o
_,;r''" ゙i ,r'' 〈;;K〕 _,,;::ニ-ー-----=ニ::,,_ ,ノ { ,,:ニf'l" ;; :, ,, `l;, ゙:、,,,___,,;r''i" i l | li li li; li;;,, ゙ii; _;f ゙ツ,川; l l l llli;i, 'lii;llliilllllliii;;;;;;;;,,,,liiiii} ら'"~ _,,ツ 川トミヾミミト,llllliii;;,''llliiillllllllllllllllllliiillll} 戦術には五つの動きがある。 {i" 〃ア~;;;ニ._゙ヾ__三ニ=-゙ミミ゙;iillllllllllllllllllllllllllllli} ゙i,{ ,{{ ゙i "モji:、 ;'" -''モj-=;, ji;lllll''""゙;;llllllllllツ 『発見』『拘束』『かく乱』『機動』『打撃』…… ゙ヾミ、゙l;  ̄ l:: ::..'  ̄ ̄ ,ノツツ i'" ,ノlllllllツ ゙リ':l; l: :::::;,_ ,;ツ' i ノ;illllli;' この組み合わせによって戦場は動くわけだが、 'l ゙:,__:-'' _,il-''";llllli;' 'l; ー─-- ,,r''ノ ゙ミ;illlllli;;ミ;、 時代が変わってもこの原則は変わらない。 ''i;, ゙""" ,,;r'' ,/ ツ'llliiツ l _,;:-''"~''i:, _,::r'".:::: '_,;ニ-''''~~ :l _,,,,,,;;;:-ァ"ヽ /~'===テ"ー、r''''"" _,:-ーi :|゙'-::,,_ ,-ス" ,/,i' ゙i / ,イ;" ィ;i⌒l r"_r=i-l jL_ ゙'''ー- ,/",i' ,;i'j ,} ,;f ノ ,i' ノ ∥ レ-'''"" ゙''ー- ,/' ;l ,l,j r'"l, '' ,:トツ ∥ ,;:r''
/ , iii ゙!,ヽ, ,ヽ, ゝ、.. ;;;, ゙ヽ, i゙ , ,! , ili l i., l;, i, l;;;;,`ミ゙ヾ';;;, ゙i i !i゙ ;' ,i ,! ,/!,i,iハト, i, !! |i', ゙i; i;;;';';,,_ミ:: ;;, リ ナポレオンはハンニバルやフリードリヒ大王の戦史に学び、 lv',ィ' ,;;;i 〃;/ リ.リl| !l゙:,ト,゙:、li;'、 i:.゙i;..;;;;;;;,ヾ ;;:〈 ,ィ,ィ/ ,,;;:;;イ,/シノン' ノ ゙l! ゙'いミ`ミゝミゝ、゙';;;;;;;;;;;;;'v;;;i この諸法則を見出した。 '" / ,;;-''シr--=、∠,,__゙、 ゙ゝ,;≧-─ミーi;;;;;;;;;;;;;;;;;;l i゙i゙ ;;ヘ | ーt‐:ァミ:`、` ' '<"t::ラー- |;;;ハ;;;;;;;;;;i゙ 彼は芸術家のような天啓を得るタイプの天才ではなく、 ゙;゙、 ( ハ,! `""´' ゙: `' ` ´ ノ;リ ,i;;;;;;ノ ゙:,゙:、.ヽ,ミト: , :. ケノ./;;ャ'′ 数学を解く科学者のような優れた応用家だったんだ。 `:、`ー; ,'. :::, '゙フー';;l゙ ノ,;;;;゙ト `ー-‐'゙ /};;;;;;;l、 彼の勝因は、先制攻撃や連絡路・補給路の遮断、 ,ィ'ス、;;;|`、 -‐ - ─- /,.};;;;;;;;;;「 _」 ゝ、;;;l ;゙:、 ''''''' ,ィ゙ 'ク;;;:;:;;;;」 機動戦や火力の集中、追撃戦といった _// `:'、 ゙; ゙' 、 ,ィ'゙ ;'ク:::::::::::;`;、_ '"/ l r‐`i゙:, `ー---‐''゙ 「..:::::::::;ィ^!;;;;;;;;;;;; 諸要素の組み合わせがうまかったからだ! ゙! |:::::P"⌒`ヽr~''⌒`く! ::::::::i゚_ノ,;;;;;;;;;;;; | ,l:::::::| / バ ,l :::::;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;; ゙: /:::::::::゙i ヽノ l ::;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
510 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:28:07.35 ID:cHC9ok2o
ッ-‐…ー-、 , -'゙. : :: :::::: :: .`ヽ / . : :: ::;:::::::::::::::: : ト r、.,.、 { : : ;;、厶ヘヘ;;、、;: : ゙! ゙! ゙i、 >:、 ラ _;「´セT' f゙セト ):: { ゙! !i-タ┐ ,r‐ ゙! l、'; ; !、 Tフ:;!.._ r‐、 l, <,.イ| テレビの前のみんな! / ゙!;:::゙! ,ニ、 /゙:;( ヽ ヽ.`ー'、、 ' { / ,〉::l゙ 、 `ー' ,:'}:::{ ', `ヽ、 ! ,、 >、 君たちもこうした戦術の諸要素を勉強すれば ,' ,」∧ヽ_`ー‐''゙_ノi::::ト、_ _',__ `Fニノ゙.::..`、 _l__,,.、-''"...:::::`'| i_| i」 l/::lコ:.`ー""ニ':, ̄`゙';:::::::::::::::..`、 ナポレオンになれるんだよ! ,r''" .....::. ...::::::::::::!、 ノ ,|::::::::;' .::::::::::::::::::::::::::::';:::::::::::::::::..゙:、 / .::::::::::::::::::::::::::::::_:;;:二ニニ,::::,=、:::::::::::::::::::::::::::::::';::::::::::::::::::. ゙:、 ボクが書いた『戦争術概要』を読んで ,' :::::::::::::::::::;、-ニ"`ュ_ _,.、-'゙l, }-{ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.゙i ,' :. ::::::::::::::/,: -'ニニァ' ̄ _,..l,リ | ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ みんもナポレオンになろう!!! / ::: ::::::_;:/ ' ,、<- ''::"::::::::::{ /::::::::::::::::;r──t─-- 、、;;;:、'゙ / ::::_;、-''゙.:::!、_ /.:::::::::::::::::::::::::::::レ'゙:::::::::::::::;'/ ', ,/ -''"....:::::::::::::.. ;'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;'.;' ', / .::: ..::::::::::::::::::::;;::':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' ,ハ i
,.-‐' ´フ^ヽ,`イ´ヽ,.-ヘ、 / / , , ` ヾヽ / / / / ,' ', ∧l ` ヘ / / ,' l l l゙‐-‐'| l ', ,' ,' , l ,斗ト,| ト-、l , ハ このジョミニの『戦争術概要』は各国の軍人にウケました。 {`ーー '| l | ハ ハ| リ |. l | l| ト- 、_ |l l | | '-' ' '└r',' ハ なにしろ、戦術の諸要素の組み合わせで ,l、ヽ `ハ ___,|r´ ┃ ┃r‐l‐'''´ ,' `ヽ、γ| ̄ | | ┃ ┃l | ナポレオンのようになれるというのは、実に魅力的だったからです。 ,' ,' /ヽ.| ', .| ', | ,' ,' / ハ. ', | _ _,ノ | この『戦術の諸要素の組み合わせ』というのは、 . ,' ,' / ,' ', |`ニ、r‐、‐ T´ | .,' ,' / レヾ, |',=ニ| /ス| | .早い話が数学のように、『1+1=2』という公式が ,' ,' / / ` '、 ',.', | // ハ | l / ,' ',`ヽ、ト', レ'/. | | 戦争にはあるという考えから発生したモノでした。
511 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:29:36.33 ID:cHC9ok2o
/ / / / / .∧、v´'ハ | ハ | | |/l | _|_ .| | | | | .| .| .L | | 「`≧ト、 /,/,斗≧、_ | | .| 当時はフランス革命以来、『自然科学』と呼ばれる学問が ヘ=-r'ーr 〉'⌒ヽ ´' 、ィ=ミ、,_ ,イ / |_ . | |〃 l:| 〃 ハ 「'‐-、._/ | ` ヨーロッパでは流行していました。 . | l l:l ,リ. |:| ,リ.| / | l ゙'‐‐'" ゞ、__彡' | ハ¬ 自然科学とは一見して無秩序に思える現象にも、 | .l XXX XXX/ / ノ | ヽ、 ゚ / /イ . ちゃんとした科学的な法則があるという考えです。 | `l‐-=、,____________,../ / | | | | | / | `'ー‐'" ./ / | 迷信の否定ですね。 | | | ゙|ヘ \ ,./ ハ |
i i c r、 (_ノ v/ )_ノ r メ、 | { / ( _/ソ/ _ > T´ ヽ、 l. /ー-t―.T´7i ̄,i ハ.トi-r‐'、 「` . ', / ー/-ァ=l7´ | ./l ,' j,rVヘ. 「ヽ} i ∠ =イl /! /|ニ示`l/ i/ 伝T | | ,! | Y レ行し::;} じ;ソ l| まぁ、一応は説得力あるよね。 /i l | '弋クzソ 、`" !,' ,' ! i ! ハ 各国の軍人にウケたって事は、 ,' | ヽ、 !、 |ヽ、 _, イ l / ! \ l V ', ` _ イ i l ! プロイセンでもジョミニさんの学説を受け入れたの? . / ト ヘ. ト-ニ_`7ーェ‐</ !川 ハ { ヽ ヽ\  ̄`7、 .i/ i!ノノ {|
512 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:31:07.45 ID:cHC9ok2o
( / ____ ヽ __ ) | . ヽ| ,. ,-r::T:「´ |::|:::,.zェェk`::T::l::r:-...、_ ├ ' | . | ,..ィ::'::l:;zュ=+::| |::l:´:「::::::「`゙:ト::|::|::;:::::::::l`ヽ、. | | Y´::::|::l:;イ´::ハ:::|ハ リ;::::|:;ィzェミ|::::|::l:,'::::::::::ト、:::::r' | プロイセン軍部はそうだったかもしれませんが |:::::::|::l::::Vィ'ヽ`ヽ ´ イ _)ヽ:仆;:|::l,':::::::::├-ミ::} | |:::::::l:::´l { r-'::ハ::l ら゚:ハ::} V ,'::::::::::::l:::::::::::l |`ヽ 参謀本部は違います。 ゙l:::::::´:ヘ ゙ う;::::リ:l {弋_:ソ:リ 'レ::::::::::::::l:--r‐{ |.:.:.:. |`TT`:', 辷Zソ , ゞ=ニン /:::::::::::::::ハ:::::|::::ト--┘.:.:. 彼らはこの当時、ようやっと自分たちの教育に |::::l::|::::::}xx`´ xxxx /::::::::::::::,'ノ::::::|::::l.:.:.:.:.:.:.:.:.: |::::l::|::::::、 __,. /:::::::::::::::/::|::::::::|::::l.:.:.:.:.:.:.:.:.: 用いる教科書を手に入れたんです。 |::::l::|::::::::`:rー-....___ , ... _-ノ:::::::::::::::/::::::|:::::::|:::::l.:.:.:.:.:.:.ノ |::::l::|::::::::::::|:::::::::::::l,ィ';},. ' ´/::::::::::::::::;イ:::::::::|:::::::|:::::「 ̄ ´ |:::::l:|::::::::::::|l:::::::/ノ´ /:::::::::::::; イ:::::|::::::::::|::::::|:::::| それがクラウゼヴィッツの『戦争論』です。 |::::::l|::::::::::::| V/'´ l /::::::::; ' ´ ハ::::|:::::::::::|::::::|::::| |:::::::ハ::::::::::| /´ノ |/::::::::/ }::|::::::::::::|::::::|::::|
_ ,..ヘ /::\ /:/ \ヽ /:/ヾ\. /:/ |::| /:/ ヾ\ /:/ :|::| /:/ '、:∨:/ |::| |::| ヾ:V |::| |::| __ V ___ |::| l::| '´ : : : : : : ` ´ : : : : : `l:ト、 , イ| : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:l:|: \ /: :l:|: : :/ : :/: : : : : : : \ : : リ: : : :\ /.:.:.:.: ヾ.:./ :.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.: !.:.:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ . / :.:.:.:./.:.:.:.:/.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.: l.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.:丶 . /::::::::::: /::::::::/:::::::::/:::::::|::::::::::::::| ::::::::| :::::::::::::::::l:::::::::::ヽ /:::::::::::〃:::::::::| ::::: /:::::::/|::::::::::::::| ::::::::| ::::::::::::::::::l ::::::::::::', シャルンホルスト閣下の言ったように ,′::':::::::l{:::::::::::|::::::∧:::_/│l:::::::::::| :::_:::|ヽ:::::| ::::::::|::::::::::::::l l:::/ ::::::::l|:::::::::∧斗七! | |ハ:::::::│:::::`ト |::∧ ::::::|:::::::::::|::| 戦争は変わった。 |::| :::::|:::::|:::::::::| Ⅵ_ ハ| l{ ヽ ::::|\::::| |:ハ|::::::,' ::::::} :|::| |::| :::::|:::::|:::::::│,ィ仟乞トヽ \| テ外、|:: /::::: /| :|::| 新時代の戦争とは? これからどうなるのか? |∧::::ハ::::ヽ ::::l癶ぅi::::j | iぅl:.::::j癶/:::::::/7::|リ ヽ:{ \::\{! {^して |^iして i}:::: イ:::{:/| 私たちはどうするべきなのか? \/::::ト、::\ V少'' `ヾ:少 彳´ } :::::l:| /::/::\_l ̄ ヽヽ ' ヽヽ /_,/ ::::::l:| 本を書いてみよう。 /::::{:::::::::∧ - 厶:::::: {::::::八
カール・フォン・クラウゼヴィッツ
513 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:32:39.73 ID:cHC9ok2o
/ ,.‐-y'´'ヽ/ ヽ-゙-ヘ / / , / ∧∧ ', ',ヽ ジョミニの戦争術概要は、 ,' / l l l ,'‐-' | | | l 'ハ ∧' ,' l | ,リ _リ l l l l l こう戦えば勝てるというハウ・トゥ本だったのに対して、 ト、 'l l`ニ´ ` ̄-r'___「 / ヽl ̄'l ==== === ,'´ | クラウゼヴィッツの戦争論は戦争とはなにかという思考の本なんです。 / ,∧l | { l| ,' / ', lu_ ,、 _,.ノ ,'| . つまり哲学書だったんですね。 ,' / ', .lヘ ',三|{=', | 'l | ,' ,' ', ', ヘ ', |,l ,}| ,'.l | これを参謀本部は教科書としました。 | l l /ヽ | ヘlレ'',´ l-‐' l | |l L._ハ_ }-‐',=l<,ヘ.ヽ{ l l l 参謀本部-クラウゼヴィッツの哲学期の始まりです。 `ヽ.| `'、_ ` ´ ',´ ̄ `レ' ',゙T'''''''T'7´ ',ノ. レ
./ | |. | ヤ.| |/ | | | .| .ヽ. | | Ⅵ / | .| | | | ヽl | ヘ,イ、ー.、-、 _ .|l ./ | .|,..../ ハト "/|,_ノ_::::ハ ヾ゙T l、/ ヽ フランス革命によって『制限戦争』は終わりました。 `'7 ̄ヘ{ |"r、ハ .|:::f. .ハ:::::l リ.| ./ ベ ヤl:ハ:l ヤ弋_ノ o:l | これからは『全面戦争』とか『総力戦』とか呼ばれる | |ヘ. マz'リ ゝ=ニ::::ソ ∨ | ヘ l `´ ,..-‐-、 ∨ 国民を主権者とする国家間の戦争が到来する事を \ ヘl. l´ ヽ ,ィ゙ヽ \ 、-ゝ、.__ \ ),、--'"-、| \ クラウゼヴィッツは予想しました。 <´ ̄ | ̄|、 ̄ ̄´ノ > .ヽ \ `l >-、 .| |  ̄ <´ ヘ ∨ > |  ̄ 。 ̄ > ヘ < | ゚γ'ヽ゚ ,>'" ヘ
514 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:34:08.35 ID:cHC9ok2o
,.-''"´ ̄ ̄ ̄`゙ヽ、 / ,.ィ _,..r---r-、 \ ./ /.イ´ | | | .| `lヽ、 .ヘ 戦争が王様の所有物でなくなるという事は lヽv ,.イ ⊥_ | | | .| ,.斗、 ヽ ゙l,),.‐; ヤノv' | .j,..≧トッ ,.ィ''ァ'、 | .〉l / 今までと違って戦いを始める理由も、 | ∨ 〉イrl゚ハ::l l乍リバl,// ゙'.} ヘ ヘィ'弋乞:ソ 弋_チ:ノ '.ハ .∧ 終わらせる理由も変化する事になります。 〉 / l "´ _,....--、 `゙ l .ヘ l ヘ ∧/ | ./ ヘ |l .Y ', ヘ 制限戦争と違って国家は徴兵制の / / .人 | | ノ | ヘ ', ヘ / / / ゝ.ゝ、.______,...イ<´ .| ヘ ', ヘ . 無尽蔵ともいうべき動員力によって、 / /l / / '----'-' ヘ 〉 ハ ', ヘ / /.〈 ∧ / γ⌒ヽ ', ∧ ノ ', ヘ いつまでも戦いつづける事ができるからです。 ./ / \ / ∨ ゝ-‐' ∨ l__,.イ ', ヘ
,..-''"´ ̄`¨゙'_‐-.、 . / `゙ヽ `ヽ、 / __,.二ニ====、_ ヽ〔 ヘ /,ィ''7´l | | | | l.\ \l、 | | |、 L| L|.,.ィ'l´ | lト、ヽ Y ゆえに、今後の戦争には『社会学』とか『論理学』などが | | |->' '" ̄ `゙l‐'、ノ| `ヽ| .└l´ | ≡≡ , ≡≡| .├─‐{ 必要になるだろうとされました。 . | | | |) l .| . | | 、-‐─┐ | | | | 自己の生存を賭けて戦う戦争は、よりグロテスクで大規模になる。 . .| .ゝ,、.,_ ヽ-‐'"__,..ィ | | | . || | ,lィ'7二´-/´7| |l | | そのため市民社会の新しい戦争には |.| |' / ゙''''''''''" | | | | | | | | |' ( ) ト|_,...イ | | | そういった学問が必要になるという事です。 l└‐イ |/ ./ | | | | | ___,ト、/ | | | | | |´ ̄ r'〔 | | | | ――たぶん。
515 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:35:36.93 ID:cHC9ok2o
____________ . ´ ` r ´ \ o O o r┴───┐ ヽ | ./:.:/⌒/:.。:! | ○ |/.:./:.:_/.:_.:._| | O ノ丁/ 、_j__、j `ゝ | o た、たぶんってかなり曖昧なんだよ。 ネ/V ∩V\| | l ∪ || | それっていいの? ノ '''' || ( | ( |ト、 \ ト、 o ヽ ⊂⊃||=| \ \ ` ー‐<ヽ. \ ) {OY ⌒ヽ ` ´\ | \ \
_ ,..-_'"´ ̄ ̄`゙ヽ、 r-/ `‐" `ヽ _ =-_>、 戦争論は戦争に勝つためのハウ・トゥ本だと / l ヽ l /´ , ヘ〉 / l l l l l / ,イヽ 世間一般では思われているようですが、 l l ゙ハ | _,|l ハ| レ' / ヘ.ヽ ヽ lヘ レイ_l L/レ l`レ'ヘ ヘ. \ 実際は『戦争とはなにか?』という事を考えた哲学書なんです。 `゙`ヘ ィ彡、| レ{ ヾ、 ヽ \ . ヽ ゝ ' | l.|.ヘ ヘ \ ヽヘ ヽ 結果、読み手によって解釈に差異が生まれるんです。しかも未完ですし。 l ,.. _| l.|/ヽヘ ヽ 、 ヽヘ  ̄「 | ,リ `ヽ、 、 ヽ.ヽト、 >>1は目に付く限りの戦争論系の本を読みましたが、 └' レ'/ ,.、 ヽ、ヘ lヘ ヘ // / ,〉 ヽ,ヘ | r'´ おそらくこんな感じなのではないかと。間違ってたらスミマセン。 // / l、____,.イ´ヘハ _|' 'ー'=" ゙ー'-=ニニニヾ´
516 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:37:06.92 ID:cHC9ok2o
______ / \ / ________ ヽ、 . / | ____ | \. | /:`7 /-lハ∧: : |\トヽ:\ | 腹筋で勘弁してもらえるといいね。 |,厶: :Ⅳ.二.._ \|_..二く|∧_>| | {:人{ 弋_フ 弋_フ }八:}: 八 ノ_./ヽ{` ノイ\ ;'_ヽ / ,二`>-へ 二、 -<´ ヽ ヽ、 く/_ \ \>J) ノ . 二二二二二,二二二二二二二二二二二二二二二 / / ,.へ ヽ ', | ̄| | ̄| | ̄| | ̄| | ̄| | ̄| | ̄| | ̄| | ̄| | ̄| | ̄| |
/ ,.‐-y'´'ヽ/ ヽ-゙-ヘ / / , / ∧∧ ', ',ヽ ,' / l l l ,'‐-' | | | l 'ハ ∧' ,' l | ,リ _リ l l l l l 気を取り直して…… ト、 'l l`ニ´ ` ̄-r'___「 / ヽl ̄'l ==== === ,'´ | 戦争論は他にも特徴があります。 / ,∧l | { l| ,' / ', lu_ ,、 _,.ノ ,'| それはジョミニとは決定的に違う点でした。 ,' / ', .lヘ ',三|{=', | 'l | ,' ,' ', ', ヘ ', |,l ,}| ,'.l | すなわち、戦争には勝利の方程式なんてモノは存在せず | l l /ヽ | ヘlレ'',´ l-‐' l | |l L._ハ_ }-‐',=l<,ヘ.ヽ{ l l l 大変に不確実なモノだという考えです。 `ヽ.| `'、_ ` ´ ',´ ̄ `レ' ',゙T'''''''T'7´ ',ノ. レ
517 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:38:38.81 ID:cHC9ok2o
/ l l | | 『戦争とは敵を屈服せしめて、 | / .γL_ | .|├── | | l .「Tド、,| l / L__ 自己の意思を実現するために用いられる暴力行為である』 ∨ | .| ,リ、ノ/ /_/ .| ゙ー'ゝ| ´ |ヾ T´ ̄ 「ヽ┬─ ――戦争論内の言葉です。 . l. .l゚l リ.| l .l | l リ | .|ノ | つまり、お互いが自分の目的を押し付けあって、 〈 | | | ヽ、ィ.__| ハ | それを実現させるために戦争は苛烈の一途を辿り、 | l-‐∨ | | / ヽ | その相互作用によって究極までエスカレートするという考えです。
/ 、 ヽ γヽ⌒) / \ 、_ ヽ ( ´> | _,.--‐r―ーr-- 、_ 〉ヾ \ 相手を屈服させるために戦う以上、 (_,ノヽ'_,.ィ<´ |、 l | ',. 、 , `ヽ,、 \ヽ,/  ̄フ | .メ、|_ _,斗匕. _ >、ヘ\ .ヽl 敵も味方も戦争経過によって . ∠、 レ' ´ `´ `´ | ,`' |\ ゙,〉 ヽ、〈 ==== ===| ,' .|´ヽヽノ 流動的に意思決定するわけですから、 |`ハ xxx xxx l' | ノ´_ ヽ、 | ' l l |´ `゙'''`---------―_ッ 確定されている事象は存在しません。 レ' ゝ、 -┤ __,| |  ̄ ̄ヾ ̄、 | ∧`7Tニ''' " ´,ィ| | _ヽ つまり、相手を倒すために戦っている以上、 | | `l ', ヘニニ´/イ | ∧ | | ', `l ゚ ゚ ゚./ |. ,'\ `ヽ、 ,r'" . 勝つためにその場の状況に合わせて |l _,l ', ヘ / .| ,リ-,r' ヽ、 ノ ゞ'´ l l / / ̄ ノ∧ \ ハ\ヽ' 臨機応変に動くワケです。
518 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:40:07.59 ID:cHC9ok2o
| |/)+}∠..ノ: :+:∠: : +: ∠: :+:!: :.! | | Lノノ: :+: :(.../ゝ: : /_:_:_:_.ノ∠L | | ノ 厂 ̄ ̄ ̄厂 ̄ノ ハハ:.!ヽ: : : : :\| . |/ ー=彡' : : : :/: : :/:.:./ ! `トハ l: :.厂 ! まぁ、確かに将棋の駒なら決まった動きしかしないけど、 . / /: : ノ: /: :∠../∠厶イノ 」ノ__」ハハ. | / 厶イ: ://______ー ´弋ン{ |/ 人間なら何をするかわかったもんじゃないよね。 . / |: : { ヽ 弋Zソ ー''^| |,′ / /|: : | ^''ー一' , 八 .! 戦争ならなおさらなんだよ。 . / /‐|: : | /、___, / ヽ', __ .、 {`ヽ`ヽ. /ム|: : |`ト . { ∨ ..イ | ! /) // ノ . (`ヽ「ヽ \i`ヽ /く:.:.:!: : !、\` ヽ..__,ノ .イヽj: | |/ ムイ/ /) \ | i ヽ \ \.> |: : |:.\ ` ーニ二厂「 r=ミ.|: | / ' // /∧ ゝ、 ヽ.!: : ! :.:.:.\ イ:.: :| Vノヘ: ! ,' / . // \ }: : l:.:.:.:.:.:.:.\ ノ:.:.:/ i ヽ. || j /
/\ ヽゝ / `ヽ \ ヽ, / 、ヽ . \/ / _} \ ┌‐┐ /_,..-―='7''¬ー- 、._ ヽ.ヽ ヽ L,/ ,ィ''"´ l ,..-、l | | ハ,=、_ `゙'ヽ、_ ヘ├'´ こういった不確実性を『戦場の霧』と言います。 / / | ´ ハ | | .ハ ,.` \ ヘ| . / / リ 、| | | |リ l、| .| |. \ ∧ 他にも『摩擦』という言い方もされます。 ヾ、l _|゙ー ハ ヽ' '" ハ└-、_ リ l ヽ / T冖''「 |::| |:::| | ``゙ヽ'|ヽ`{ 『全面戦争』と『不確実性』を見出した事は、 | l |::| |:::| | l |ヽニ}ヽ | / ,l ー' ー' | l | ノ ヘ___l とても素晴らしい事だと思います。 レ { XXX XXX レ |' ヘ | ヽ、 _ / .| 、ヘ | |`7‐ッr-、ー',----,='"'"⌒ヽ__,ハ. ∧ | |/ / | ゝ __,.-'" ヘ ヘ ∧ ,.-| l |''´ | _,l-'" ヘ ヘ ヘ
519 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:41:35.88 ID:cHC9ok2o
_,.-‐' ´___ ̄ ̄ `゙ ''‐-、 ,.‐-, '´ `ヽ/ `ヽ'`'ヽ、__ \ / ,、 ` ´ ヘ ヽ / / / /` '-| l l ', .ハ / l l l |l | | l l l | | | | |l | __ l l |_, -彡 そしてクラウゼヴィッツは、 | l `l'‐ト、 ,リィヒT´_| l |_,/ } `‐r-゙-r-ィヾ、 ィヽハヽL_l__| | ,.<| 将来的にドイツが直面する戦争の中で、 | | '{うハl ら'::ハ' | 'Tヽ´/ .l| | ,| | マ:リ 辷'ソ | | l l l| 一番恐ろしいのが多正面作戦だとしました。 | |. l ' u| l イ l l| | | ヽ、 - __,l | .| l | いわゆるヨーロッパの中間点に位置するがゆえの弱点ですね。 | | | `゙フ、'''"´ ,' l、| l | | | l / , リ __,. -イ ,' ヘ l |
,..-、_‐',..-、 ̄_.._゙'¬-.、 / , ´ `´ ヽ-‐-.、`ヽ、 / / / / ∧ ,ィヘ \ ヽ / / / /l /‐ヾ--| l l ヘ . | l | ハ | | | | | ', この中間位置の問題は、 | l | | ,.斗ヒ'| ヽL_l. | l | | ハ | | ,ィくヾ, ''_,.≧‐.| イリ`ヽ これからの参謀本部にとって、 `' ゙-,ヽ_|〈イ::l ゙ '_ノハヽl'‐-、/レ'ミ |. l マリ l::{゚ハ::l ,〉 |_, 解決せねばならない命題となりました。 l l `´ 、 .込イソ | | | | .ヽ、 __ `´ | | .| 〉 レ゙、-.、.'、_,)___,..、イ | .| / | | ヽ、 `´ ノ ハ| l || l / | | ヘ`゙'ー'" , |l| | | | . / //〉、.| ヽ / ハ _lノ | |
520 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:43:06.32 ID:cHC9ok2o
/ / / / / .∧、v´'ハ | ハ | | |/l | _|_ .| | | | | .| .| .L | | 「`≧ト、 /,/,斗≧、_ | | .| ヘ=-r'ーr 〉'⌒ヽ ´' 、ィ=ミ、,_ ,イ / |_ さて、参謀本部はクラウゼヴィッツの戦争論を教科書にして、 . | |〃 l:| 〃 ハ 「'‐-、._/ | ` . | l l:l ,リ. |:| ,リ.| / 新しい戦争への探求を続けます。 | l ゙'‐‐'" ゞ、__彡' | ハ¬ | .l XXX XXX/ / ノ 世間では反動化によって戦前に戻って行ったのに、 | ヽ、 ゚ / /イ | `l‐-=、,____________,../ / | 参謀本部は逆に先に進んでいたんです。 | | | | / | `'ー‐'" ./ / | | | | ゙|ヘ \ ,./ ハ |
,...,.-‐'"´`ヽ,..-、 ,ィ',.イ ヘ-‐、 //, / / _ ゙'''ヽ / 'ィ'´ / / / /,ハ.,ィヘ .ヘ }‐/ ,/ /ヽ、// "''┤ l.∧ さて、参謀本部のうち、最初期のシャルンホルストと |_ .゙7''"'¬イ└/l゙メ.、 .リl | | | /ヘ/ `/ / ヾミョ、 ` 、≦斗.| | | 哲学期のクラウゼヴィッツを扱いました。 .l,..-''"∨ / xxxx .ミk、,゙L/ .ハ .| ,.< / /. γ'ー、_, `゙"/-、 / .レ' この二つの期間を通じて、 ,.ィ'" ( | .ト'、.. l / xxx/ 「′ ,.イ ,..-'| | | |゙ヽ、 ゙ー''" ノ | 参謀本部は徹底的に政治から自身を遠ざけました。 '´ ,.-‐'" ヘ リ | ヘ ヾ=-..r-=ニ'"| |__ ,.イ ヽ ゝ、 | 、  ̄ノ .| | ヤ¬ッ 軍人は政治に関わると、ロクな事にならないという事を / > `'' ゙'¬" .| | | .レ'" / / / | / リTー' 本能でわかっていたんでしょうね。 / / '--ッ __./ |'"´〈、_/ | `ヽ、 , , / / /`ヽ | | | あるいは、教えとして守ったというべきか。 `´イ,./ └─ヽ/ ノ | ヘ .|
522 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:44:40.06 ID:cHC9ok2o
____ `丶 / \ 最初期の参謀本部が軍事のエキスパートと く ノ ヽ 〉 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| l 政治将校の両立を目指し、哲学期によって | | _____| | |,厶ア{∧ 丶\ \}\ │ それを達成するための教科書に巡り合ったワケだね。 │|/f^r芯\ィr芯ヾVヘ 「 ∧ │ l|〉 V::} V:::} } ヽ小、 それじゃあ、大モルトケの変質期って? ヽ八 .ィ |´ \ ヽ _}三ミヽ | |> - -=≦/:厶. \ \ |.:.:.:.:. \\|: Ⅳ)/{匸斗-=ニ三三} \} |.:.:.:.:.:.:.:. \\L[// ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| \〉::\ (_ ).:.:.:.:.:.:.:.:.: ヾーr':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:(⌒ヽ \\:::::〉 ノ∧.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|<>|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.( __人\}ヽ∨ (__ノヘ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|\ ⌒⌒) 、_.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|∨`ー冖 __ > 、.:.:.|.:.:.|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.___| __{∧/ニ二\_:|.:.:.レ-‐<\ \_ / ∧/ハ´ ̄\  ̄´ __ \\ ヽ\_ ⌒ー=≪}//}_\ {/∧/\ 二二ニニ〉__>、 `丶、 じヘ、 \ xヘ//ハ>、 \ て:イ \ \  ̄`ー─<__ ∧//}/`ー─'^こ>‐┴'⌒\__>  ̄`ー'  ̄
( / ____ ヽ __ ) | . ヽ| ,. ,-r::T:「´ |::|:::,.zェェk`::T::l::r:-...、_ ├ ' | . | ,..ィ::'::l:;zュ=+::| |::l:´:「::::::「`゙:ト::|::|::;:::::::::l`ヽ、. | | Y´::::|::l:;イ´::ハ:::|ハ リ;::::|:;ィzェミ|::::|::l:,'::::::::::ト、:::::r' | それは本編でやる事にして…… |:::::::|::l::::Vィ'ヽ`ヽ ´ イ _)ヽ:仆;:|::l,':::::::::├-ミ::} | |:::::::l:::´l { r-'::ハ::l ら゚:ハ::} V ,'::::::::::::l:::::::::::l |`ヽ 今度こそ本編でお会いしましょう! ゙l:::::::´:ヘ ゙ う;::::リ:l {弋_:ソ:リ 'レ::::::::::::::l:--r‐{ |.:.:.:. |`TT`:', 辷Zソ , ゞ=ニン /:::::::::::::::ハ:::::|::::ト--┘.:.:. |::::l::|::::::}xx`´ xxxx /::::::::::::::,'ノ::::::|::::l.:.:.:.:.:.:.:.:.: |::::l::|::::::、 __,. /:::::::::::::::/::|::::::::|::::l.:.:.:.:.:.:.:.:.: |::::l::|::::::::`:rー-....___ , ... _-ノ:::::::::::::::/::::::|:::::::|:::::l.:.:.:.:.:.:.ノ |::::l::|::::::::::::|:::::::::::::l,ィ';},. ' ´/::::::::::::::::;イ:::::::::|:::::::|:::::「 ̄ ´ |:::::l:|::::::::::::|l:::::::/ノ´ /:::::::::::::; イ:::::|::::::::::|::::::|:::::| |::::::l|::::::::::::| V/'´ l /::::::::; ' ´ ハ::::|:::::::::::|::::::|::::| ――つづく |:::::::ハ::::::::::| /´ノ |/::::::::/ }::|::::::::::::|::::::|::::|
527 名前:豆戦車 ◆2VT6k5G/yw [sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:48:51.85 ID:cHC9ok2o
ミニサイズの投下でした。 お付き合いいただいて、ありがとうございます。
本日の投下は、参謀本部の補足説明であると同時に誰もが一度は思った事 ――どうしてドイツ参謀本部はシェリーフェン・プランなんてビックリ計画を実行に移したのか? という事にもつながります。
最初期の参謀本部の理想から、どうして離れる事になってしまったのか? それも本編でやる予定ですので、どうかお待ちのほどを。
ではでは~~
526 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:48:12.14 ID:Op8I9Eko
乙でした
528 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:51:40.37 ID:Op8I9Eko
面白かったよw
530 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:55:46.79 ID:1jeHC5Io
乙でしたー 良い感じに話が広がって来たな。
539 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 22:27:30.71 ID:67LnTVMo
どこの国でも官僚や軍人が集団として政治化すると、 左右にかかわらずラディカルな方向に行きがちですな。
529 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:52:27.71 ID:Wwxm3/oo
政治将校というとカチューシャ督戦隊が出て来るくらい赤軍のイメージが強すぎるww
521 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:43:21.32 ID:5TNm4Kgo
髭の伍長が負けたのも多正面作戦のせいだったな
524 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 19:46:20.04 ID:rclXtAco
チョビ髭は軍人は政治に関わるとロクな結果にならん事も実証してくれたな
4 名前:早起きは三文の得 投稿日:2010年03月20日 12:07 | No.1731 | [ edit ]
逆に見えるんだが。 (軍人としてはまともに教育受けていない)政治家なのに軍事の細かいところに口出した。
532 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 20:37:59.50 ID:0BWJLsco
長文を先に詫びておく。
ジョミニとクラウゼヴィッツについてだが、ちょっと誤解があるよ。
まずジョミニがウケたのは、読みやすく実戦的なハウツー本だからという以外にも、 内容が純軍事的で政治的視点に欠ける傾向にあったから、というのもある。 要するに、ナポレオンの勝利の基礎をフランス革命によって生まれた新体制に求めるのではなく、 ハンニバルその他の先人達が用いたのと同じ原則の活用に求めている格好になっていたから、 革命以外に強さの源泉を求めたい諸国の思想に上手く当て嵌まったわけ。 「旧体制が新体制に負けたのでなく、原則の活用能力で列強がナポレオンに敗北したのだ」 という現実逃避の材料にもなったと言い換えることもできる。
それから、ジョミニは『戦争術概要』(『戦争概論』)において、決して不確定的要素を否定していない。 クラウゼヴィッツの不確定要素に対する認識を追認するような記述も少なくない。 ジョミニは一応、自分に対するクラウゼヴィッツの批判をある程度は受け容れている。
『戦争論』がHow to war.(戦争のやり方) ではなく What is war?(戦争とは何か?)の本だったというのはその通りだが、 絶対戦争やエスカレーションだけに着目するのは片手落ちだ。 クラウゼヴィッツを語るのであれば弁証法的論述に着目する必要がある。
簡単に言うとクラウゼヴィッツは、 エスカレーションによって戦争が絶対的なものへと変わっていく(絶対戦争の概念)のが 戦争の基本形(理論上の戦争)であるとしつつも、 色々な不純物(政治的要素、精神的要素等)によってそれが修正されていくため、 実際に起こるのは多くの場合「制限戦争」(現実上の戦争)になると結論している。 テーゼ アンチテーゼ ジンテーゼ 要するに「絶対戦争」、「不純物」、「制限戦争」。
多くの読者や研究者、本職のプロイセンや日本の軍人までもが誤解しているが、 クラウゼヴィッツが最終的に「現実の戦争」として捉えたのは「絶対戦争」ではなく「制限戦争」だ。
クラウゼヴィッツのこの辺りの理論に興味のある向きは、 詳しくは清水多吉訳『戦争論』第一部「戦争の性質について」と第八部「作戦計画」等を参照のこと。
534 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 21:12:58.24 ID:0BWJLsco
それからプロイセンで『戦争論』が受け容れられた理由だが、 内容が秀逸であるという点だけでなく、本編でも言われてるように、 読み手により様々な解釈が成り立つ余地のある論文だったからという側面もある。
内容が難解かつ曖昧でしかも広範なものだったから、 内容について読者それぞれが好き勝手なことを言う余地があり 読者が自分の都合の良い部分だけを都合の良いように引用するのに便利だったんだ。
色々と「使いやすい」論文だったから、 軍事上及び政治上の様々な必要に応じて積極的に利用されていた。
ちなみに戦略戦術の教科書としては、 プロイセンでもやっぱりクラウゼヴィッツよりもジョミニが評価されていたりもする。 モルトケを始めとする軍人達もジョミニの方が実戦的であると認めていた節がある。
>>532 >>534 やっぱし間違ってたか!? なんとなくそうなんじゃないかと思ってた今日この頃…… 自慢じゃないけど理解力が低いのよ自分(涙)。
仕事の合間に軽く(入門用のヤツ)読んでたら、 上司に見つかって「お前、そんなにオレより偉くなりたいんか!」とか言われた。
その通りだけど違うよとか思いつつ、 そういえば戦争論ってビジネス系の本でも有名だっけとか思い出した。 理由は知らんけど。
538 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/11/11(水) 21:58:34.48 ID:glUsu.wo
ビジネス系なら孫子のほうが有名じゃない?
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